注:ずっと下書きのまま放置していたため、本記事の時系列は2020年の4月頃から始まります。
はじめに
ウィルス騒動により春休みが長引いていた4月半ば、院試の勉強が嫌すぎてヤフオクを眺めていた私はKIRAの卓上ボール盤が1,2000円スタートで売られているのを見つけました。
全体的に錆は出ているものの本体に目立った傷は無く、そこまで悪くない状態です。
(当時学生の自分にとっては)結構な金額なので入札するか迷いましたが、最終的にまさかの1,2500円で落札することが出来ました。
到着
配達のお兄さんが二人掛かりでアパートの二階まで運んでくれました。70kg近くあるのにご苦労さまです…。
全体的に錆が出ています。ただ、幸いにも表面がボロボロ剥がれるような錆はありませんでした。
ピント合ってませんが、反対側はこんな感じ↓
ヘッド周りは比較的綺麗ですが、カバーが割れています。
分解
まずは状態確認も兼ねて全ての部品をバラします。
ヘッドとテーブルは思ったより簡単に抜けました(写真無し)。重いので落として足を粉砕しないように注意が必要です。
コラムとベッドを固定しているボルトがとても硬く、モンキーレンチでは口が開いてダメだったのでメガネレンチを買ってきて気合で緩めました。
ネジ部を見ると緩み止め剤らしきものが付着していました。そりゃ硬いわ。
テーブルの昇降機構とテーブル部を止めているネジも硬かったですねー。
続いてヘッドの部品をバラします。
ベルト張り調整用のハンドルはイモネジを一つ外さないと抜けないのですが、これがまた非常に硬いです。 六角レンチだけでは緩む気配が無かったので、必殺技を使います。
折れたらゴメン!と思いつつ力をかけるとようやくイモネジが外れました。
六角穴が死ななくて良かった…。
カバーの修理
カバーの割れている箇所をエポキシパテでくっつけます。
まずは適当にパテを押し込んで…
固まったらはみ出した部分をヤスリで削って仕上げます。
もう一箇所の割れも同様にくっつけました。
錆取り
油で濡らしながら紙やすりでひたすら擦って錆を落とします。
若干錆による模様が残っているものの、削りすぎて遊びが大きくなっても嫌なのでこのくらいにしました。
黙々と作業していたので写真がありませんが、他の金属部品も同様にヤスリがけして錆を落としました。
再塗装
テーブル周りとベッドの塗装が剥げているので塗り直します(ヘッドは面倒なのでそのまま)。
画像右側に写っていますが、今回はアサヒペン製の塗料剥がし液を使用しました。 元々塗ってあった塗料が水性なのか、剥がれるというよりは溶けるという感じでした。
溶けた塗料を拭き取ってマスキングします。
テーブルも同様に塗装を剥がしたら下にパテが塗ってありました。 鋳物なので表面を均しているのでしょうね。
ベッドは大きいし重いしで結構大変です。 サンドブラストでも使わないと全部取るのは無理そうなので、このくらいで終わりにしてマスキングしました。
昇降用ギアボックスの写真を取り忘れましたが、これで全て塗装を剥がし終わったので新しい塗料を塗っていきます。
できればヘッドと同じ色にしたかったのですが、ホームセンターで手に入る色では無かったので妥協して緑色で塗ることに しました。
テーブル周りも塗り終わりました。
最初はあんなに錆だらけだったテーブルがこんな綺麗に…。
組み立て
元通りに組み立てます。
折角なのでコラムとベッドを固定するボルトを新品にしました。 こういうところまで綺麗にできると気持ちが良いですね。
組み立て途中でテーブルを動かしている動画がありました↓
【 テーブルを動かしている動画.mp4 (34.1 MB) 】
この構造ほんと良く出来てますね。 ウォームギアを介しているのでハンドルから手を離してもテーブルが下がっていくようなことはありません。
モータと回路系以外を組み上げました。
ほんと見違えるほど綺麗になりましたね。
調子に乗ってチャックも新調してしまいました。 まあチャックハンドル無かったからついでということで。
交換するにあたって初めて知ったのですが、ボール盤のチャックってテーパーに刺さっているだけなんですね。 抜けないように爪の奥でネジ止めでもしてあるもんだと思っていました。
おわりに
以上、中古で買った卓上ボール盤のレストア記録でした。
いざ記事を書き始めると思っていたよりも写真が少なく、よくわからない画角の写真を使ったりそもそも写真が無かったりという感じになってしまいました。 細かいところの写真をもっと撮っておくべきでしたね。
機能・構造ともにそこそこシンプルな機械ですが、細かいところに多くの工夫があり機械系の学生としては非常に勉強になりました(別にそういう目的でやったわけではないのですが)。