ハンドグライダー突貫製作記

 今年の目標の一つに「飛行機を飛ばす」があったので,空いた時間を使ってハンドグライダーを制作しました.

 ハンドグライダーといえば手で軽く投げて滑空させるものだと思っていたのですが,本格的な機体になると結構すごい投げ方(翼端を掴んで自分の体ごと回転させて投げる)をして上空まで飛ばす上に,機体に詰め込んだサーボでラダーやエレベーターを操作して自由に飛ばせるようです.

 ただ,最初からそんな機体を作るのは流石に難しいので,今回はカネライトフォーム(株式会社カネカの断熱材)を使って諸々のパーツを制作しました.

主翼の切り出し


写真を取るために一度剥がしたベニヤ合板を貼ったので少しズレています

 上の画像のように,翼型に切り出した2mm厚程度のベニヤ合板をカネライトフォームの両端に貼り付け,その周りにΦ0.26mmのニクロム線を沿わせることで主翼を切り出しました.

 ニクロム線に流す電流値を色々と変えてみましたが,ニクロム線の温度が高すぎると余計なところまで切り込んでしまい,逆に低すぎると全然進まなくて疲れるので,最終的には1Aに設定して作業を行いました.

 実際に主翼を切り出す際に,ニクロム線を張る力が弱すぎたり早く動かしすぎたりすると内部で撓んで翼型の曲線が綺麗に出ないことがあります.また,前縁から切り込んでいくと後縁が抉れてしまうことがあるので,後縁から前縁に向かって切っていくと良いです.

左:失敗(後縁が抉れている),右:成功
失敗例(横から)

 翼型に関して,本来は考慮すべきことが沢山あるようですが今回は試作機だったので見た目だけで適当に設計しました.

試作1号機


試作1号機(右翼のガムテープは補修跡)

 今見ると明らかに重心位置がおかしいですが,主翼を切り出す際に出た端材を組み合わせて作ったのでこの形になりました.パーツ同士はホットボンドで接着しています.

 試しに大学の敷地内で飛ばしてみました.

 重心位置の問題以前に,機体が軽すぎて風の影響をもろに受けてしまいました.空を飛ぶとはいえ軽すぎるのも良くないようです.

 proto1.mp4の方は良い感じに着地していますが,多くの場合はproto1_break.mp4のように機首から墜落してしまいました.胴体もカネライトフォームなので機首から落ちると高確率で折れます.

試作2号機


試作2号機

 軽すぎる弱すぎるだった1号機の失敗を活かし,胴体に杉の角材を使用しました.また,機首上がりにならないよう先端に重りを取り付けています.

 2機目にしては良く飛んでくれました.

 ただ,グライダーと言うからにはもう少しフワッと飛んで欲しいところ…….主翼を延長すれば揚力が増えて良い感じに飛んでくれそうな気がします.

試作3号機


試作3号機(製作初期)
先端の重りで重心を調整
接合部には薄く切ったカネライトフォームを貼って補強

 2号機の主翼を延長する形で改良を行い,延長箇所から上反角を設けました.

 これだけ主翼が大きいとすぐ折れてしまいそうですが,カネライトフォームに意外と柔軟性があり着地の際に主翼が地面にぶつかる程度ではまず壊れませんでした.機首から突っ込むような落ち方をすると折れることもありますが,ホットボンドで接着すれば問題なく飛ばせるようになります.

主翼の根本.修理跡が見える.

 proto3_1.mp4では機首から墜落していますが,このくらいなら壊れません.

 適当につけた上反角も予想以上に上手く効いてくれました.proto3_wing_dihedral.mp4はローリング安定を見るために機体を斜めに投げた時の動画です.投げ方が悪いので飛距離は短いですが,機体が傾いた後に水平に戻ろうとしている様子が確認できます.

 丘の下から風が吹き上がるような場所で投げているので,丁度いい風が吹いたときは予想以上に長く飛びました.

終わりに


 試作3号機が良い感じに飛んだので,今回のグライダー製作はここで終了です.

 流体的なことを色々考えて作る必要があるのかと思っていましたが,バランスにさえ気をつければ適当に作っても飛ぶことがわかりました.勿論,性能を求めるなら理論に基づいた設計をすべきなのでしょうが,飛行機製作入門としては丁度良かったと思います.

 今回制作したものは軽く投げて飛ばすだけだったので,次はプロペラ機を作ってみたいですね.

コメントを残す